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2016.08.11

プログラミング教育 教育の情報化が目指すもの 前篇

学校教育でプログラミングが推進されているのを知っていますか。次期学習指導要領においては、小学校において「プログラミング的思考」等を育むプログラミング教育の必修化や、中学校の技術・家庭科(技術分野)や高等学校の共通教科「情報」において充実する等、プログラミング教育を充実することが検討されています。また、「大学入試改革」でも、現行の大学入試センター試験に替わる新しいテストにおいて、高等学校の共通教科「情報」を対象教科・科目とすることが検討されています。


そこで、文部科学省でお話をお聞きしてきました。今回対応くださったのは、生涯学習政策局情報教育課の新津室長と梶濱係長のお二方です。以下はお二方のお話です。

プログラミング教育は、各教科等を通じて、すべての児童、生徒に情報活用能力(プログラミング的思考やICTを活用する力を含む)を育成することを踏まえ、進めていく必要があります。情報化社会の進展においては、単にコーディングを覚えることだけではなく、コンピュータの仕組みを理解することや、、情報セキュリティや情報モラルを身に付ける等、情報社会に参画する態度を育成していくことも重要です。

小学校:コンピュータに意図した処理を行うように指示することができることを体験させながら、プログラミング的思考を育成する
中学生:計測・制御の基本的な仕組みを知り、情報処理の手順を考え、簡単なプログラムを作成する 。
高校生:問題の解法をアルゴリズムを用いて表現する方法を習得させるなど、プログラミングを科学的に理解する。

プログラミングだけが重要なのではなく、情報を主体的に収集して、どのような情報がいいかを判断し、表現して、伝達するといった情報活用能力を段階的にすべての教育活動を通じて育成することが重要です。

今後の課題としては、プログラミング学習を担当する教員の指導力、プログラミング学習に適した教材、社会の変化に伴うプログラミング学習の目標・内容の3つが挙げられます。

そのために、26年度は、初等中等教育段階における実態把握のための調査(児童生徒の発達段階に応じたプログラムに関する学習内容を調査し、指導に役立つ教員向け参考資料を作成)。27年度は、学校教育におけるプログラムに関する指導手引書の開発(大学、NPO法人等と協力し、小中高等学校各5校においてプログラミングに関する授業を実践しながら、指導上のポイントや配慮事項を整理し、教員が適切に指導するための手引書を作成)。28年度は「IE-School」の事業(小・中・高等学校におけるプログラミングを含む情報活用能力の育成のための体系的な指導モデルの策定)を行っています。


教育の情報化が目指すもの –3つの側面を通じた教育の質の向上-
http://www.info-global.jp/files/magazine/053-01.pdf

プログラミング教育実践ガイド(平成26年度委託事業)
http://jouhouka.mext.go.jp/school/pdf/programing_guide.pdf


上記資料(教育の情報化が目指すもの)の中にあるように、平成24年度から中学校では「技術・家庭科(技術分野)」で必修化とされました。小学校においても、次期学習指導要領から必修化することが検討されています。次期学習指導要領(小学校は2020(平成32)年度=今年の1年生が5年生になる年度)、中学校では2021(平成33年)年度から全面実施予定。高等学校は2022(平成34)年度から年次進行により実施予定です。


今回は、高等学校の中でも先進的な取り組みを行っている、横浜サイエンスフロンティア高等学校を訪れ、情報科教諭の綿貫先生にお話を聞きました。以下綿貫先生のお話です。

高校1年生の時にSL(サイエンスリテラシー)Ⅰという授業があります。週に1回大学の先生とか、企業の方がきてくれて講義をしてくれます。プログラミング、数学、科学というような内容です。

SL(サイエンスリテラシー)Ⅱ(2年次)では大学の研究室と同等の内容になっており、生徒が選択することになっていますが、応募が多い時には成績順になっています。 ロボット工学、プログラミング、電子工学、数学等があります。成果として、姉妹校があるマレーシアで英語の研究発表を行います。全員が英語のプレゼン(ポスターセッション)を行います。さらに優秀者はマレーシア科学大学で英語プレゼンを行います。これは、SSH&SGHの活動の一環となっています。また、年度末には1年間の研究成果を発表する場も設けられています。

また三年生でSL(サイエンスリテラシー)Ⅲ(3年次)を選択することもできます。これにより研究を続けたい生徒は、提携している横浜市大と研究を続けることができます。今回は10名程度が利用しております。

高等学校におけるコミュニティ・スクール導入による成果
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/community/suishin/detail/__icsFiles/afieldfile/2015/12/15/1362482_4.pdf


自分たちでロボットを作成し、ロボットの国際大会にも出場したメンバーにもお話を伺ってきましたので、お読みください。


後ろの垂れ幕のキャラクターは友人が作成してくれました。国際大会では宣伝塔として活用しました。垂れ幕右側の中央には3名の名前が書かれていて、下にあるのが出場作品のロボットです。詳しくは動画参照

左から三賢洸介さん、升田尚幸さん、山田季弥さん。   全員3年生です。



自律型ロボットの大会(WRO)への出場は山田さん主導で、他の二人を説得して実現しました。チーム名は「Pod」です。それぞれの第一印象は、博士(三賢洸介さん)、匠(升田尚幸さん)、大将(山田季弥さん)(上記写真左からの順番)といったところでしょうか。
「出場するに際して、全員で作り上げるというコンセプトは変わらず、ロボット本体、プログラミング、プレゼンテーションにわかれて作業を進めました。それぞれが授業でプレゼンテーションを経験しているので、作成過程で相手がどう考えるかを推測しながら進めたため、意見の対立が起こることはありませんでした。特に綿貫先生の授業が大いに役立っている証拠だと思います。」

「最初に参考にしたのは、福島第一原発で活躍する“原発内部調査用ロボット”です。しかし、あまりに小型であったためインパクトに欠ける、という話になりました。再設計した結果、時間の制約もあり、予選はドーム等がない状態で戦い、国際大会までの間にブラッシュアップを重ねてゆきました。」


右側の方が情報科教諭の綿貫先生です。聡明でフレンドリーな方でした。大会で使用したパネルをもって並んでもらいました。



「我々は、現在高校3年生ですが、今年もWROに出場予定です。決勝大会に出場できるかわかりませんが、応援よろしくお願いします。」

チーム「Pod」が作成したロボットの動画
https://youtu.be/TciVnQaZagE



平成26年度スーパーグローバルハイスクール指定校の取組
内外の多様な教育資源を活用したグローバル・リーダー教育の研究開発
アジアを中心とした地域の「環境保護」や「持続可能な開発」に関する課題を社会学や経済学、教育学、国際ビジネス等の視点から研究し、グローバル・ソリューションを探求する
http://www.edu.city.yokohama.lg.jp/school/hs/sfh/index.cfm/33,html

横浜サイエンスフロンティア高等学校
http://www.edu.city.yokohama.lg.jp/school/hs/sfh/

同校では平成29年4月開校を予定している、横浜サイエンスフロンティア高等学校附属中学校のホームページも開設しました。

横浜サイエンスフロンティア高等学校附属中学校
http://www.edu.city.yokohama.lg.jp/school/jhs/hs-sf/

(後編に続く)



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http://www.info-global.jp/news/detail.php?id=699